2016年9月27日火曜日

統計資料を読む ~特定サービス産業動態統計

特定サービス産業動態統計調査の7月分確報によると、パチンコホール業の売上高は3215億4500万円だった。実は、この売上高にはあまり意味がありません。業界の流れを見るには多少の加工が必要です。

経済産業省が9月15日に発表した特定サービス産業動態統計調査の7月分確報によると、パチンコホール業の売上高は昨年7月比で11・9%減少だった。
この調査は原則として、各業種の「全国年間売上高のおおむね70%をカバーする売上高上位の企業(または事業所」を調査対象としています。しかしパチンコホール業界については、ホール軒数で業界全体の約13%、設置台数で約16%を調査サンプルにしています。ユニークなのは、このサンプルから業種全体を推計せず、あくまでも調査対象企業の売上高の合計を月々報じている点。店舗数が月々で変動しているため、調査対象企業の売上高合計もその変動が反映されているのです。

調査対象になった企業の、7月のホール規模は平均516・2台で、前年同月より1・4台増加。過去1年の間、514台から517台の間でほぼ一定しています。全国1万1000店の平均が約340台なので、調査対象は規模の大きいホールを有する法人が中心になっていることがわかります。つまり、業界の「縮図」になるようにサンプリングしているわけではないということです。これは、統計資料を読むうえでかなり大事なことです。


遊技機1台あたりに換算


そこで、この調査で公表されている調査対象企業の売上高、設置台数、店舗数などから、1店舗当たりの月間売上高と遊技機1台あたりの月間売上高を算出しその推移を見た。

1店舗当たりの月間売上高は、7月は平均2億5300万円で、前年同月より12%減少。過去1年の間で売上高が最も高かったのは昨年8月で2億9000万円。最も低かったのは今年6月で2億3400万円。
遊技機1台あたり売上高は、7月は49万円で、前年同月より12・3%(6万8800円)低い水準。ただしボーナス月ということもあり、今年2月以降で見ると最も高く、前の月よりも6・7%ポイント上昇しています。

【図】1台あたり売上高の推移(15年7月を100として指数化)


「49万円」という数値そのものは多くのホールにとって参考にならないでしょうが、昨年7月の売上高を100とした場合の、月々の推移は参考になるはずです。

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