カジノのルーレットは0〜36までの番号が振られたポケットがあります(ヨーロピアンスタイル)。特定の数字を予想して賭ける場合、確率は37分の1(2.7%)です。そう簡単に当たりませんから、1目賭けを続けていたらあっという間にチップがなくなるし、楽しくないと思います。
では、300分の1の確率で当たりが出るルーレットがあったとします。「300回挑戦すれば1回は当たる」ということで、確率は0.3333%です。300分の1の確率に賭ける遊びは、めったに当たらないわけですから、短い時間の間に相当な回数の抽選がなされるか、賞金がよほど多額でないと楽しくないはずです。
しかし「偶然」が支配していると、300分の1の確率であっても、30回で当たることもあれば、300回でも600回でも当たりが出ないこともあるのです。
「30回までの間に一度は当たる確率」はどのくらいかというと、9.53%です。
「300回までの間に一度は当たる確率」はどのくらいか? 答えを言ってしまうと、63.27%です。
「300分の1の確率なんだから、300回やればもっと高い確率で一度くらい当たるのでは?」と思う方も、きっといると思います。そこで、なぜ63.27%しかないのか、算出の仕方をご説明しましょう。
「300回までの間に一度は当たる確率」とは、「1」から「300回挑戦して一度も当たらない確率」を引いた値です。これに気づくことができれば、「300回挑戦して一度も当たらない確率」を求めればよいとわかります。
「300分の1の確率で当たる」ということは「300分の299の確率で外れる」ということです。2回続けて外れる確率は、299/300×299/300=99.33%です。3回続けて外れる確率は、299/300×299/300×299/300=299/300の3乗=99.00%です。
「300回挑戦して一度も当たらない」とは300分の299の確率の出来事が300回続くことであり、確率は299/300の300乗。これを計算すると0.3673です。
よって、「300回までの間に一度は当たる確率」は、1-0.3673=0.6327で、63.27%となります。
参考までに書くと、600回挑戦しても、一度も当たらない確率は13.49%あります。表現を変えると、「600回挑戦した場合、一度以上当たりが出る確率は86.51%」となります。
2017年1月5日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
過去30日間の閲覧上位エントリー
-
前回に続き、各都道府県について調べた 2 つのデータで散布図を作ってみます。 人口当たりのマクドナルド店舗数とパチンコ低貸台数割合には、相関があるでしょうか。パチンコ低貸台数割合は、週刊アミューズメントジャパン 2015 年 8 月 10 日号に掲載されたもので、 ...
-
カジノのルーレットは0〜36までの番号が振られたポケットがあります(ヨーロピアンスタイル)。特定の数字を予想して賭ける場合、確率は37分の1(2.7%)です。そう簡単に当たりませんから、1目賭けを続けていたらあっという間にチップがなくなるし、楽しくないと思います。 では、30...
-
企業、店舗、都市、人、製品などを比較しようというとき、様々な角度から調べると、得られたデータ(変数)の中には、類似した傾向を示すものがあり ます。 例えば、小学生の身体測定をすると、身長が高い子は体重が重い、身長が低い子は体重が軽いという傾向が見えます。この 2 つの...
-
「パレートの法則」で言う「2対8」というのは、もののたとえです。 実際のところ、日本の所得階層の上位20%の所得額は、国民全体の所得額の80%を占めているのでしょうか? せいぜい50%くらいでしょう。 「いろんなデータを分析したところ、"2対8"になった」と...
-
2つのヒストグラムがともに1つの山型でも、その形状は、鋭い山型の場合もあれば、なだらか山型の場合もあります。 図をある国の 10 年前の年間の世帯収入の分布、右図を現在の世帯収入の分布だとします。平均値も中央値も最頻値も同じで、ともに単峰性の山型です。違う...
0 件のコメント:
コメントを投稿